大学ランキングに称賛と批判(フランス)
フランス政府は、昨年12月から今年7月にかけて公立大学の新たな調査を行い、先月その結果を大学ランキングとして公開した。ランキングは大学院生の卒業後の就職率によって格付けされており、結果をめぐって教育関係者からは賛否の声が挙がっている。調査はサルコジ政権の大学改革の一貫として行われ、63のフランス公立大学に在籍していた4万3千人の大学院生が対象とされた。その結果、平均91.4%の大学院生が修了してから30ヶ月以内に雇用されていることが明らかとなった。このことは「頭が固く、野心のない」と呼ばれてきたフランス公立大学が「失業者生産所」ではないことを強調するもので、文部科学大臣バレリー・ペクレス氏は「(この結果が)多くの偏見を一掃した」として評価している。氏はさらに「長年大学は学生に教育を行い、学位を与えることが責務だと考えてきたが、現在では学生たちが卒業後に仕事を得られるように援助することも大学の新しい使命となってきている」と語る。
一方で、この調査があまりに単純で正確ではないと主張する大学指導者や教育専門家も多い。彼らの多くは就職率という成果水準を使うことで、大学間格差が生じ、全国を通じた一定の教育環境を保障するという原則に基づくフランスの大学システム自体が崩れてしまうのではないかと危惧している。また、規模の大きな大学よりも小さな大学がランキングの上位を占め、最も人気が高く競争率の高い大学が調査に参加していないなど、結果の解釈においては問題も指摘される。さらに、大学院生よりも学部生への就職支援を求める声も挙がっている。2006年の調査によると、フランスでは通常修業年数である3年で学位を取得している学生はわずか半数で、多くの学生が途中で大学をやめ、職を得るのに苦労している状況だ。(海外ニュース担当
鈴木)
参考記事:French University Rankings Draw Praise and Criticism, The New York Times, 2010年11月14日
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